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岡村周一の世界観

生産性 D&I

生産性向上を阻害する「同調圧力」とは?

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日本はその働き方の実態から、なかなか生産的な働き方ができないと言われています。その特徴的な日本人の考え方が「多数派に同調し少数派を排除する」という右にならえ主義です。

よく「出る杭は打たれる」などと言いますが、こうした少数派の意見が出てきても「ルールをわかっていない」「生意気」などの理由で排除しようとしてしまうんです。

あなたの会社でこんな経験はありませんか?

・仕事が落ち着いているものの、みんな残業をしているから帰りづらい空気感
・有給休暇を取ることを申し訳なく思う、または抵抗を受ける
・子供の送り迎えで遅刻または早退する同僚を「ずるい」と思ってしまう

こうした同調圧力がある会社に働いているとどうですか?なんか息苦しさを感じないですか?

私は今でこそほとんど残業をせずに仕事を終え、ジムに行ったり自分の時間を活用しています。しかし昔は仕事が落ち着いている日でも、この同調圧力によって20時頃までは働いていました。

こうした力が働く職場ではこう考える人が出てきますよね。

「どうせ定時では帰れないんだから。。。」

こういった考えを持つ人が出てくるようになり、本来なら定時で帰れるにも関わらず結果的に遅くまで残業をしてしまうという非生産的な行動につながってしまうんです。

さらに息苦しさを感じる社員は「働きづらい会社」ということで転職してしまう事もありますよね。

ちなみにハーバードビジネススクールのスサンナ・ギャラニ教授は「お金などのインセンティブでは人は動かないが、同調圧力によって人は動く」と述べています。それほど同調圧力はすごいということなんです。

また同調圧力の強い会社からはイノベーティブなビジネスは生まれてきません。

例えばとある商品のデザインを決める会議があったとしましょう。

「今回はどんな色がいいですか?」

という話になりました。新入社員のK子さんはカラーコーディネーターの資格を持っていて配色にはそれなりに自信がありました。なので思い切って

「仕事ができる男性をイメージしてがいいと思います!」

と言ってみたものの

「え、どう見たって情熱のだよね?」

と5年目の主任デザイナーが言ってきました。

「ねぇ、Iちゃん。だよねー」

3年目のI先輩は「もちろんですよ。」と主任に同調。他のメンバーも赤が良いって言い始めました。

「どう、K子?ほんとにだと思う?」

こういう空気感を出されてしまってはK子さんも「あ、でいいと思います。」と言わざるを得ません。

出る杭が打たれてしまう環境、自分の意見を建設的に議論できない環境下では、斬新なアイデアも同調圧力によってつぶされてしまいます。

ダイバーシティの観点から見ると、これってものすごくもったいない話なんですよ。

日本では「女性活用」だとか「外国人の登用」だとか見た目のダイバーシティに着目されがちです。でも海外では多種多様な人が一緒に働くのは当たり前で、見た目よりも考え方の多様性に着目されています。

具体的には、

・新しい状況において「既存の考えを優先」したいか「新しい考えを優先」か?
・新しい状況において「自分の意見を優先」したいか「他人の意見と協調」したいか?

こうした考え方の違いを受け入れ、包括的に考えていくことが重要であると言われています。

もちろんこうした雰囲気は組織としての大きな問題ですから、私たち個人がすぐに何かできるというものではありません。なかなか深い問題ですよね。そうした職場環境を改善していくには、まずはあなた自身が同調圧力に気付くことからスタートしてください。

あなたがマネージャで部下が帰ろうとしたとき「えーもう帰んのー?」みたいな嫌味をチクリと言ったりしてないでしょうか。

そこで「おお、今日は仕事早いやん。俺も早よ終わらして早よ帰ろ。」みたいな気の利いたコメントができるようになれば少しずつ空気が変わってきます。マネージャであれば何よりもまず、自分自身が遅くまで残業して部下にも残業を強要するような空気を作り出さない工夫がいりますよね。

D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の取り組みでは、まず現状に「気づく」という所からスタートします。この同調圧力についてもあなた自身が所属する組織の同調圧力に気付き、あなた自身がその圧力に巻き込まれない、負けない気持ちを少しずつ持ち始めることが大切です。

そうすれば職場も働きやすく、より生産性の高いものになっていくんでしょうね。

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