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報連相ではなく空雨傘を活用せよ

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新人教育などでよくある一コマ。

社会人として大切なのは報連相だよ。
報告・連絡・相談。これからきちんと心がけるように!

ということで、私も新入社員時代、報連相は上司から厳しく叩き込まれました。

まぁこれが大切なのは言わずもがなですな。

よく報告もしないまま抱え込んでしまう人がいますが、仕事を依頼する側から見ればこれほど気になることはありません。どんな状況であれ報告や相談は必要ですね。

さて、日本の企業にはほぼ浸透しているこの「報連相」。別にこれ自体悪くはありませんが、もう少し生産的で、かつ部下の成長につながる報告手段を今日は提案します。

●「報・連・相」の問題点

こういう見出しにすると、報連相があたかも悪いもののように見えちゃいますね。いやいや報連相そのものはすごくよくできたルールなんですよ。それを証拠に、1982年に初めて提唱されてから35年以上も続いているノウハウですから。これだけ続くってことは報連相は原理・原則的なものであることは間違いありません。

新入社員に向けては、ちゃんと上司や先輩に報告する。何か問題があったら抱え込まないでちゃんと相談する。そういったことがビジネスパーソンには求められますよ。という教育ができます。

せっかく報連相ができるようになったら、次のステップを考えてみるのはどうでしょう。

報告や連絡というものは、起きた事実を相手に伝える行為。そして相談は相手に意見を求める行為ですよね。事実を伝える。そして相手に意見を求める。

「ボス、〇〇できました。次の指示をお願いします。」
「ボス、xxでトラブルです。どうしましょうか?」

まぁこんな感じで会話が繰り広げられますが、このままだと社員の成長はストップしてしまいます。その理由は

自分で考えることをしない、基本的な姿勢は受け身のまま

だからです。

このままだと、きちんと報告はできるようになるけど自分で考えることをしない「指示待ち人間」ができてしまいます。上司にとっては都合いいかもしれないですけど、これだと部下の成長は望めないですよね。

そこで「空・雨・傘」の登場です。

●そもそも「空・雨・傘」って?

空・雨・傘とは、もともとコンサルティング業界で問題解決の論理的手法として使われているものです。簡単に説明すると、

・空(事実):空が曇っている
・雨(解釈):雨が降りそうだ
・傘(判断):傘を持っていこう

というように、まずは事実を把握し、現状から将来を予測し、その予測に基づく判断を示します。

報連相の「報告」の際、重要なポイントとして事実を的確に伝えるということがあります。嘘の報告や「ほとんどできてます」みたいな曖昧な報告はダメよ。というのはよく部下に指摘しますよね。

空雨傘では「空」がこの事実認識の位置づけです。

つまり、現在の状況はどうなっとんねん。という事実を正確にとらえるということなんですね。

例えば、

部下
営業支援システムですが、今日3名のユーザから「動作がいつもより遅い」という連絡を受けました。

みたいなのが「報告」です。

ここで上司がこういうんです。

上司
動作がいつもより遅いということは、何かしらの問題を抱えてるんじゃないか?

部下
確かに。問題が大きくなると大変です。じゃあどうすれば良いですか?

上司
連絡を受けた時間帯のログを取得して問題がないか調べてくれないか?

部下
了解しました。

こんな感じで上司と部下のやり取りが行われます。ここで部下は上司から調査するように指示を受けてから調査を始めています。ここが問題なんですよね。

報連相の思考だと、自分で行動まで考えない。指示待ち型の人間で成長が止まってしまいます。これが空雨傘の思考ができる人だとコミュニケーションがこう変わります。

部下
営業支援システムですが、今日3名のユーザから「動作がいつもより遅い」という連絡を受けました。

部下
普段こういった連絡を受けることはまれで、今回立て続けに3件連絡を受けたことから、もしかしたら何かトラブルを抱えているのかもしれません。現在の作業を中断してでも一度原因調査に取り掛かる必要があると思いますがよろしいでしょうか?

上司
わかった。よろしく頼むよ。

このように「報連相」の形式を保持しながらも、深いレベルでの会話が可能になります。

●ポイントは「自分で考える」「考えを受け入れる」

もしあなたが部下や後輩の立場なら、報連相を前提に置いた上で空雨傘をぜひ実践してみてください。

上司や先輩になればなるほど、多くの作業を並行するようになるため、なかなか時間が取れなくなります。先ほどの会話のラリーを何度も続けるほど時間が取れませんし、声をかけるタイミングも難しくなってきます。

なので、まずはしっかりと報告すべき事実をしっかりと確認し、その事実を自分でどう解釈するか、そしてどのような行動を取ろうと思っているかを自分自身でしっかりと考えることが重要です。

時と場合によっては、上司や先輩の判断を仰ぐ必要があるかもしれません。ただ自分なりの洞察を深めておくことで、上司は先輩の判断に疑問があった場合にでも建設的な会話を行うことができるようになるんです。

あと、自分が上司や先輩の立場だったら、このように報告してくる部下や後輩をまずは受け入れること、これめっちゃ大事です。たまに

お前、何勝手に決めようとしてんねん!

とイラっとする方を見かけます。部下や後輩が「こうしようと思っています」というのを無視して自分の思うように指示する。これでは部下や後輩は育ちません。

自分の指示したいことと内容が食い違っていても、まずは自ら考えてきた部下や後輩のアイデアを受け止めることが大切です。そうしないと本当に指示待ち人間になっちゃいますよ(笑)

人間は元々楽して生きたい生き物ですから、他人がレールを引いてくれるのは大歓迎なわけです。でもいざ当の本人がレールを引く立場になっても、自分でレールを引く方法を知らなければ一生誰かのレールに乗っていくしかなくなってしまいます。

自ら考え、自ら動く。

これができるための第一歩となるのが空雨傘なんです。

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